東京都で注文できるコープの宅配弁当はコープデリ(デイリーコープ)の宅配弁当と東都生協の夕食宅配の2つのみです。
弁当写真や味の感想などは、それぞれの日々のブログをご覧下さい。
同じ「コープの宅配弁当」だが意外と方向性が違う
東都生協の夕食宅配を食べてみたので、デイリーコープの夕食宅配(舞菜シリーズ)と比べてみます。
大まかなイメージで言うと、デイリーコープの夕食宅配と東都生協の夕食宅配は、同じ「コープの宅配弁当」なのですが、意外と方向性が違うように感じました。
「方向性」を具体的に言うと、おそらく、メニューを作る栄養士さんが注意している部分が違うのではないかということです。
東都生協の夕食宅配はこのような感じになっています。
デイリーコープ(コープデリ)の宅配弁当は、まずは、万人に食べられる宅配弁当を目指しているように感じます。
デイリーコープの宅配弁当(舞菜シリーズ)はこのような感じです。
デイリーコープの舞菜シリーズの中でも、野菜が多く使われている「舞菜御膳」はこのような感じです。
デイリーコープの舞菜御膳は、味つけの強弱(辛さ、酸っぱさ)や好き嫌いの別れるような食材などに注意を払い、慎重に誰にでも食べることのできるメニューを作成しているように感じます。
これに対して東都生協の夕食宅配は、まずエネルギーと塩分相当量を決めて、次に弁当のコースの値段によって、使える食材のグレードを決めて、そしてその中でできる限り美味しく作ろうとしているように感じます。
東都生協は万人受けをするような宅配弁当を最初から目指しているようには感じられません。
東都生協は、好みの別れそうな食材を使ったおかずを、デイリーコープほど気にしているようには感じられません。
栄養面や材料費の枠組みを先に決めて、その中でなるべく美味しいものを目指し、一番最後に、なるべく食べやすく作ろうとしているのだと思います。
以下に、僕がそう感じた理由をいくつかあげていきます。
デイリーコープと東都生協の宅配弁当のカロリーと塩分の比較
栄養士が適切な栄養バランスを考えて作られる宅配弁当にとって、その宅配弁当の塩分相当量は非常に重要です。
塩分を控え目にすることは、健康的な食事を目指す場合に、最重要事項の一つになります。
しかし、ある意味で仕方のないことですが、塩分の控え目な食事は味気なく感じてしまう可能性があります。
よって、コープの宅配弁当全般では、いかに塩分相当量を抑えつつ、美味しく感じられるメニューにできるかがキモになってきます。
コープの宅配弁当では、1食当たりのエネルギーや塩分相当量は、弁当の種類によって決められています。
まずは、デイリーコープの宅配弁当(舞菜シリーズ)と、東都生協の宅配弁当の規定の塩分相当量を比較してみます。
それぞれ、おかずのみの弁当、おかず+ご飯の弁当、デラックスの位置付けの弁当と、3種類のラインナップで比較できます。
デイリーコープ
- 舞菜おかず(おかずのみ) エネルギー:400kcal 塩分相当量:4g以下
- 舞菜弁当(おかず+ご飯) エネルギー:500kcal 塩分相当量:3g以下
- 舞菜御膳(デラックス) エネルギー:500kcal 塩分相当量:4g以下
東都生協
- おかずコース(おかずのみ) エネルギー:400kcal 塩分相当量:3g以下
- お弁当コース(おかず+ご飯) エネルギー:500kcal 塩分相当量:3g以下
- 国産応援ご膳(デラックス) エネルギー:400kcal 塩分相当量:3g以下
これらの数値だけをぱっと見ても、大きな違いが分からないかもしれません。
しかし、これらの数値には、一つひとつに理由があります。
(非常に大雑把な考え方ですが、カロリー当たりの塩分相当量が低いほど、その弁当は薄味だと言えます。)
まず、デイリーコープの舞菜おかずは、これらの弁当の内で一番カロリーに対して塩分相当量が高いです。
僕はこのブログで舞菜おかずの感想を何度も書いていますが、舞菜おかずは実感できるレベルでコープの宅配弁当にしては味が濃いです。
そして、デイリーコープの舞菜弁当は、この舞菜おかずからおかずを一品減らして、そこにご飯を加えた弁当です。
ご飯には塩分が含まれないので、舞菜弁当は舞菜おかずより1gだけ塩分相当量が低い基準になっています。
また、デイリーコープの舞菜御膳は、デイリーコープの中ではデラックス弁当の位置付けなのですが、同時に「野菜を豊富に使っている弁当」という位置付けでもあります。
野菜を豊富に使って、健康意識の高いユーザーを狙った弁当だからでしょうか、舞菜御膳は舞菜おかずに比べて品目が増えカロリーも上がるのですが、塩分は据え置きの4gです。
舞菜御膳は野菜が非常に多く使われている上に、カロリー当たりの塩分相当量が低くなっているので、薄味に感じられる弁当です。
このように、デイリーコープの各弁当のエネルギーと塩分相当量は、若干デイリーコープ側の事情で決まっている部分が大きいです。
これに対して、東都生協の宅配弁当のエネルギーと塩分相当量は、作り手や販売する側の事情で決まっているようには見えません。
というか、先にエネルギーと塩分相当量を決めて、その範囲で弁当を作っているように見えます。
その理由は、デイリーコープよりも東都生協の宅配弁当の方が、どの種類の宅配弁当にしろ、1日当たりのエネルギーと塩分相当量のブレが小さいからです。
コープの宅配弁当では、1週間以上前にあらかじめメニュー表があらかじめ作成されています。
そこにメニューと一緒にエネルギーと塩分相当量も書いてあります。
それを見ると、デイリーコープでは、1日のエネルギーと塩分相当量にそれなりのひらきがあります。
1週間の合計で、平均のエネルギーと塩分相当量になるように計算されているようで、1日単位では、エネルギーでは50~100kcal、塩分相当量をでは1gくらいは前後する場合があります。
東都生協でも多少はエネルギーと塩分相当量が1日単位でブレるのですが、その幅はデイリーコープに比べて半分くらいです。
このことより、東都生協の宅配弁当のメニューを考えている栄養士さんは、まず初めに弁当のエネルギーと塩分相当量を揃えるようにメニューを作っていると予想できます。
そして、デイリーコープと東都生協の宅配弁当の、エネルギーと塩分相当量の比較の表を見ていただければ分かりますが、東都生協は全ての弁当の塩分相当量を3gに固定しています。
基本のおかずだけの弁当(おかずコース)でも、ご飯付きの弁当でも(お弁当コース)、デラックスな弁当(国産応援ご膳)でも、全て塩分相当量は3gです。
健康面から見ると、塩分の摂取量はその人がどんなものをどのくらい食べたかに関わらず制限されることが好ましいです。
よって、東都生協はそういった健康面の配慮から、まずエネルギーと塩分相当量を固定して、その中でメニューを作成しているように見えます。
これとは対照的に、デイリーコープでは、食べやすくする工夫を第一に考えているようです。
僕が実際に食べてみた感想に「デイリーコープでは好みの別れるような食材や味付けはあまりでない、東都生協は(僕は大丈夫だけれども)食べられない人もいるかもしれないようなおかずも出る。」というものがあります。
このことを考えてみても、「デイリーコープは食べやすさ第一」「東都生協は栄養バランス第一」と考えられます。
弁当の内容は一長一短、システムはデイリーコープ勝利
以上のことから、デイリーコープと東都生協の比較について、弁当の内容は方向性が少し違うので、人によって好みの別れる両コープの宅配弁当サービスだと言えます。
東都生協の宅配弁当は、エネルギーと塩分相当量を厳密に守ろうとしています。
なので、それを補うように少し極端な味付け(辛味、酸味)になってしまったり、好みの別れるような食材を投入したりします。(謎のセロリ押しなど。)
こういったことは、人それぞれの好みの問題になるので、あまりはっきりとしたことは言えません。
ですが、比較的好き嫌いの多い人はデイリーコープの方が向いていると言えますし、変わったものや普段食べないものを食べるのが好きな人は東都生協の夕食宅配が向いていると言えます。
栄養バランス的なことは、若干東都生協の方が優れています。ただ、デイリーコープも大差はないです。
嫌いなおかずが出て残してしまうことがあれば、それで栄養バランスは崩れてしまいます。
なので、デイリーコープの万人受けするメニューは、ある意味で栄養バランスにとって重要だと言えます。
また、宅配弁当全体のシステムとしてはデイリーコープが圧勝しています。
注文方法や契約できる方式など、東都生協がデイリーコープに追随するために、ごく最近「週3日から注文可能、弁当内容変更可能」のシステムを導入しました。(2017年8月10日より)
東都生協がデイリーコープのシステムに追随した形です。
ですが、弁当の注文システムのみをデイリーコープと同じにしただけです。
豊富なサイドメニューの注文や、スマホアプリなどのネット注文のしやすさなどから、全体のシステムは東都生協よりデイリーコープの方が明らかに良いです。
サイドメニューを注文可能にすることはすぐにはできないでしょうが、ネット注文のアプリ作成やサイトの改良などは、すぐにできるはずです。
その辺りを東都生協さんには期待したいです。